私が横を通ると彼は『君は現地の人？家を探してるんだけど、このへん詳しい？』
と聞いてきました（もちろん英語で）。私は「観光で来てるだけだからわからない。」とだけ答えて素通りしようとすると『待って！今日はいい天気だね、どこからきたの？日本？僕はイタリア人なんだけど、お母さんが大阪で仕事してるよ』などと言い、その後調子良く大阪弁まで話して見せました。

愛想笑いだけして無視していると彼はどこかへ消え、私がちょうどホテルの入り口に着いた所で（パシフィックハイツインに滞在していました）なんと彼がタクシーに乗って登場したのです。そして『乗って！お茶でもしようよ！』と言って来ました。

どう見ても２０代後半、服装からしてタクシードライバーなどではありません。どこかで盗んできたタクシーかもしれない！無理矢理乗せて運賃を取られるかもしれない！と思い、「両親とここに泊まっていて、今から３人で親戚の家に行くの」と言いました。両親と聞くとさすがに引き、すぐにその場を去っていきました。それが午後２時ごろだったのですが、その後また出かけて発見されてはたまらないと思い、その日は午後を丸々無駄にせざるを得ませんでした…。

今後Union.st付近に滞在される女性一人旅の方がいらっしゃれば、注意して下さい。背は170未満、目と髪はブラウンです。その日は黄色いタクシーに乗っていて、名前は『フローレンシオ』と名乗っていました。
SFで危険な目にあいかけたのはこれだけです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　By　まな　　　　　　　　２００２年１１月